日本の医療制度について - 外国人向けに解説

Post date: 2020年2月7日

日本の医療は欧米諸国におけるものと同等で、診療所や総合病院などの様々なレベルの施設で、検査や定期的な予防接種から複雑な外科手術や救急医療までのあらゆる医療サービスを提供しています。

しかしながら、日本の保険制度は他の多くの国々と若干の違いがあります。 一つには、総合診療医がとても少ないので、症状に応じてそれぞれ異なる専門医に行かなければならないことが多いです。 新しい国に引っ越しをする場合は、誰もが医療を必要とし、また誰もが現地がどのような状況かを知る必要があります。

英語を母国語とする外国人の方々向けに、日本の医療についての基本的な制度、英語対応の医療関連施設、問合せ窓口などをご案内します。

日本の医療の概要

外国人を含め、日本在住の全ての人は健康保険に加入します。 ビザを有する場合はいかなる方も(旅行者ビザを例外として除く)健康保険に加入する必要があります。

支払方法は保険の時期や期間によって異なりますが、会社に勤めている方々については、会社がほとんど全ての手続きをしてくれます。 様々な種類の保険を利用可能な一方で、外国人も日本の国民健康保険に加入することが義務となっております。

多くの医療機関は非営利的な原則に基づき運営しており、国民健康保険に加入すると、医療費の負担は通常請求額の30%の支払いとなります。 なぜ30%でよいのかというと、日本では医療診療とみなされるすべてが保険扱いになるからです。 しかしながら、美容整形のような特別な診療については保険扱いにはなりません。

日本の医療についてもう一つ留意すべきことは、対症診療(症状や病気の発症に対して診療すること)に対して、予防診療(健康問題が発生する前に予防に努めること)を重視していることです。 予防重視のあり方は生涯に渡り定期的な診療を受けることに主眼を置いていることで分かります。

40歳以上の全ての人は一定期間内に(翌年に再び受診可能となるように)、無料の検診を受けることが奨励されます。 会社に勤めている方は毎年の会社の”健康診断”(健康チェック)を受診することが可能です。

最後に、上記で述べたように、多くの外国人(例えば、米国、英国、またはフランスからの)は日本で総合診療医を探すことが難しいことに驚くかもしれません。 実際に日本の医療制度上、医師が総合診療医と専門医に分かれていることはまれです。 次の項目にて、日本の医療制度における専門的もしくは総合的な診療について説明致します。

日本における診療所と病院

日本における診療所と病院は西欧諸国の制度と異なります。 一つには以下に説明するとおりその規模です。 もう一つの違いは、診療所が特定の専門的な診療を提供するのに対し、病院はその専門範囲がとても幅広いことです。
病院に行くにも診療所に行くにも、常に保険証を持参し、またもし所持しているならば住民カードも持参して下さい。

診療所

日本国内の診療所は各地に多数あり、家の近所にあると言っていいでしょう。

内科、眼科、皮膚科、そして最も一般的なのが、歯科です。平日は毎日もしくは夜遅くまで開業している診療所を探すことはきわめて難しく、またほとんどが平日のいずれかの曜日で休業します(例えば、歯科は通常木曜日が休みです)。そのため電話予約をすることが賢明です。さらにあなたが診てほしい医師が英語で会話ができるかどうかも確認したほうが良いでしょう。ほとんどの医師が多少は英語が話せますが。

病院

病院は診療所より大きく、一般的な病気について幅広い範囲の診療を行います。 通常は最初に内科の診療所に行き、医師の判断によって大きな病院に照会されます。 病院では、診療時間は通常午前9時から11時で、土曜、日曜、祝日は救急患者以外の診療は休みとなります。

日本の診療所も病院も、クレジットカードを受け付けない場合があるので、現金の用意が望ましいです。

薬局とドラッグストア

日本において、薬局(総合的なドラッグストアと区別して)はほとんどが診療所の近くや病院内に所在します。 日本における薬の投薬量は、他の国々のそれとかなり異なります。 処方薬が多種多様な一方で、日本の市販薬はとても効き目が弱いです。 病院や診療所に行くときと同様に、薬局に行くときには住民カードの持参が望ましいです。 初めて薬局に行くときは、処方薬の記録であるお薬手帳を求められることがあります。 もし持っていないならば、作成することが出来ます。 これを診療所や病院に行くときも持参することにより、あなたの処方薬の履歴を医師に伝えることが出来ます。

ジェネリック薬を求めることも良い考えかも知れません。 ジェネリック薬とその他のものとは値段が格段に違うことがあります。 ほとんどの薬剤師は同様のことを述べます。

日本の薬局に関する最後の注意事項: 処方薬を使い切った場合には、追加を求めて薬局に行くことは出来ません。 追加の薬を得るためには、再度医師に行き、処方箋をもらい、それを持参して薬局に再度行くこととなります。 詳しい処方箋についての情報や英語のサービスをする場所のリストを含む、日本における薬局についてのさらに詳しい情報については、以下の記事を参照ください。

>> English speaking pharmacies in Tokyo

英語対応の病院、医師について

日本で医療サービスを受ける為に英語対応の医師を探す場合は、弊社がまとめた英語対応の医療機関のリストを参照することから始めてください。

>> 英語対応病院リスト

その他の英語対応サービス

AMDA

AMDA国際医療情報センターは、在留外国人に対し日本における医療についての総合的な情報とアドバイスの提供を行っています。また、医療機関を通す必要がありますが、電話を介して通訳スタッフが日本語がわからない外国人をサポートしています。

https://www.amdamedicalcenter.com/amdainterpreterpatient

Japan Helpline

Jhelp.comは日本における唯一の非営利型で全国ベースの外国人居住者向けの24時間救急サポートサービス。医療ニーズに関する緊急なものから簡単な問い合わせまで、いかなる情況にも対応するサポートを提供。24時間対応の電話サポートは0570-000-911にて受け付けています。

http://jhelp.com/help/

Tokyo English Life Line (TELL)

The Tokyo English Life Lineは、助けを求めるすべての英語を話す外国人向けに、無料で匿名によるサポートや相談のサービスを提供。

https://telljp.com/

International Mental Health Professionals Japan

International Mental Health Professionals Japan (IMHPJ) は日本在住の国際コミュニティー向けにサポートを提供する団体。心の健康に関する幅広いサービスを行っています。

http://www.imhpj.org/

Dr. Passport

iOSとAndroid対応の医療サポート専用アプリです。 海外で病気になったときに症状や病歴を現地の医師に伝えるための多言語翻訳ツールです。

https://dr-passport.com/

緊急時について

診療所や病院の多くは日曜日と祝日が休みですが、大きな病院の救急処置室は年中24時間対応しています。

緊急で救急車が必要な場合、119をダイヤルしてください。東京では英語対応のオペレーターが24時間対応しています。ただ、日頃から自分の住所と電話番号を日本語で言えるようにしておくと便利です。

通訳のサービスが必要な場合、下記団体がボランティアで対応しています。

JNTO: 訪日外国人旅行者向けコールセンター

365日、24時間対応。

緊急(事故・病気等)、災害時案内、一般観光案内を行なっています。

TEL: 050-3816-2787

https://jsto.or.jp/for-stores/info-190304/

AMDA

医療機関に相談して電話をしてください。

https://www.amdamedicalcenter.com/amdainterpreterpatient