日本の洪水・水害ハザードマップと災害情報
日本は世界でも雨が多い地域の1つであるモンスーンアジアの東端に位置し、年間平均降水量は1718 mmで、これは世界平均(880 mm)の約2倍です。
また、日本の降水量は季節によって大きく変動し、雨季と台風シーズンに集中しています。
雨の強さと降り方・用語定義
1時間雨量(mm) |
予報用語 |
人の受けるイメージ | その他状況 |
10 - 20未満 | やや強い雨 | ザーザーと降る | 地面からの跳ね返りで足元がぬれる 雨の音で話し声が良く聞き取れない 地面一面に水たまりができる |
20 - 30未満 | 強い雨 | どしゃ降り | 傘をさしていてもぬれる 寝ている人の半数くらいが雨に気がつく 地面一面に水たまりができる ワイパーを速くしても見づらい |
30 - 50未満 | 激しい雨 | バケツをひっくり返したように降る | 傘をさしていてもぬれる。 寝ている人の半数くらいが雨に気がつく 道路が川のようになる 高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる(ハイドロプレーニング現象) |
50 - 80未満 | 非常に激しい雨 | 滝のように降る(ゴーゴーと降り続く) | 傘は全く役に立たなくなる 寝ている人の半数くらいが雨に気がつく 水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる 車の運転は危険 |
80以上 | 猛烈な雨 | 息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる | 傘は全く役に立たなくなる 寝ている人の半数くらいが雨に気がつく 水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる 車の運転は危険 |
ゲリラ豪雨とは
局地的な豪雨、短時間の局所的な土砂降りのことを日本では"ゲリラ豪雨"と呼びます。
近年、東京ではゲリラ豪雨が増加しています。このタイプの豪雨は予想外に強く、どこで発生するかを正確に予測することが非常に困難です。下水道や小さな川が溢れ出し、深刻な被害を引き起こす可能性があります。
住宅地より高い所を流れる日本の河川
日本の住宅地の多くは、洪水時の川の水位よりも低くなっています。 川沿いに高い堤防が建設されていますが、これらの堤防が壊れると人々に甚大な被害をもたらす可能性があります。
東京の河川水位(江戸川 / 荒川 / 隅田川)
ロンドンの河川水位
パリの河川水位
ニューヨークの河川水位
内水氾濫とは?
川や沿岸の洪水(外水氾濫)とは別に、「内水氾濫」と呼ばれる洪水があります。内水氾濫は市街地に降った豪雨によって引き起こされ、大雨が地表に溢れている状態を意味します。集中した豪雨が降ると、排水溝や下水道だけでは水を排出しきれなくなります。また、支流が合流する地域で主要河川の水位が上昇すると、河川の水は中小河川(支流)に逆流することがあります。
日本の内水氾濫による被害は、全ての洪水の約50%程ですが、東京で起こった洪水の約80%は内水氾濫によるものです。堤防が発達している都市部では、内水氾濫が新たな問題となっています。
2019年の台風19号では内水氾濫が発生し、武蔵小杉駅周辺で被害が発生しました。 多摩川の増加した水が下水道を通って逆流し、市内に溢れたことが原因です。
洪水・土砂災害警報システムと防災情報
住民が取るべき行動を直感的に理解しやすくなるように、防災情報は5段階の警戒レベルを明記して提供されるようになっています。
防災情報は、地方自治体と気象庁が公開しています。 地方自治体が避難勧告(警告レベル4)、または避難準備・高齢者の避難(警告レベル3)を発行したら、直ちに行動を起こしてください。 避難する場合、必ずしも事前に指定された避難場所に行く必要はありませんが、近くの頑丈な建物の上層階に避難して、川や崖から離れることを検討します。何よりも状況に応じて行動することが重要です。
防災の警戒レベル
警戒レベル4までに避難しましょう。詳細は画像をクリックして内閣府のPDFをご参照ください。
水害時の避難の方法
警戒レベル4までに避難しましょう。詳細は画像をクリックして内閣府のPDFをご参照ください。
水害・洪水ハザードマップ
それぞれの区・市町村ごとにハザードマップ が用意されていますので、お住まいの地域のハザードマップを事前にご確認ください。気象庁の下記サイトも役立ちます。
洪水警報の危険度分布
https://www.jma.go.jp/jp/suigaimesh/flood.html
警報・注意報