日本の紙幣と硬貨について 外国人向けに説明

Post date: 2017年2月10日

クレジットカードが普及しているとはいえ、日本滞在中の外国人の方々はの観光や買い物、日常生活において、日本の通貨・紙幣を使う機会が多いかと思います。

ちょっとしたお買い物や自動販売機での飲料の購入、電車やバスの切符の購入、また、小さな商店や地方都市のお店ではクレジットカードが使えない事も多くあります。

ここでは、外国人向けに、日本のお金の種類や自動販売機での使用等について説明いたします。

日本の通貨単位は円 (yen)、日本銀行は紙幣4種類と硬貨6種類を発行しています。

日本の紙幣

日本で主に流通している紙幣は、10,000円札、5,000円札、1,000円札 の3種類です。 2,000円札は殆ど流通しておりません。
諸外国に比べると日本の紙幣はとても綺麗で、汚れていない、シワが少ないことで驚く外国人も多いとの事です。

10,000円札

日本銀行が発行している紙幣の中では最高額。

表面には福沢諭吉(1835 – 1901) の肖像があります。
福沢諭吉は明治時代の日本の武士、思想家、教育者。 慶応義塾大学の創設者でもあります。 著作の 「学問のすゝめ」が有名です。
裏面には平等院の鳳凰像が描かれています。 鳳凰像は京都の平等院の屋根に立っており、人々に幸せや喜びをもたらすという伝説があり、鳳凰のデザインが選ばれました。

一万円札は街中の自動販売機などや駐車場の支払いで使用できないケースが多い。
但し、JRや地下鉄などの交通機関の切符や定期を販売する券売機などでは、長距離の運賃や定期券、プリペイドカードに対応するため、使用が可能となっております。
タクシーで短い距離を乗ったときに一万円札を出すと、運転手がお釣りの用意がなくて困ってしまうことがあります。

5,000円札

表面には樋口一葉(1872 – 1896)の肖像が絵がれています。
樋口一葉は東京生まれの明治時代の日本の女性小説家。 24年の生涯の中で日本の近代文学史に残る数々の作品を残しています。
裏面は尾形光琳作(江戸時代の画家、工芸家)の国宝「燕子花」。

自動販売機や、駐車場の支払いなどでは使えないケースが多いので注意。 但し、JRや地下鉄などの交通機関の切符や定期を販売する券売機などでは、長距離の運賃や定期券、プリペイドカードに対応するため、使用が可能となっております。

2,000円札

西暦2000年のミレニアムと沖縄サミットを記念として発行された紙幣で、殆ど流通していません。

日本の紙幣で唯一表面に人物が描かれていない代わりに沖縄県の守礼門が描かれてます。 裏面は源氏物語絵巻の「鈴虫の巻」のデザイン。 他の紙幣と比べると見かける機会が少なく、自動販売機や交通機関の券売機などではほとんど使用できません。

1,000円札

現在発行されている1000円札は野口英世が肖像。
野口英世(1876 – 1928)は福島県出身の日本の細菌学者。 梅毒病原菌の構造の解明や黄熱病病原体を発見した等の功績があり、ノーベル賞の候補にも挙がりましたが、西アフリカで黄熱病の研究中に感染して亡くなりました。
裏面は逆さの富士山(新潟県出身の岡田紅陽が撮影したもの)と桜がデザインされています。

釣銭として使われることが多いため、5千円札や1万円札より紙が厚く作られています。
千円紙幣は殆どの自動販売機や券売機等もふくめ、どこでも使用が可能です。

硬貨

500円玉

日本の硬貨の中で一番大きい額です。 表面には桐、裏面の上下には竹や橘が描かれています。 最近では、「ワンコイン」ランチが流行っていますが、「ワンコイン」とは500円を意味しています。

100円玉

表面には大きな八重桜があります。 普段の生活で一番よく使う硬貨。 自動販売機や有料駐車場で支払う時に持っていると便利です。

50円玉

表面には菊の花があり、中央に穴が空いています。

10円玉

表面には平等院の鳳凰堂があり、色は茶色です。
自動販売機などで使用可能な最小額の硬貨。

5円玉

中心に穴が空いており、表面には稲穂、水、歯車が描かれています。
日本では、5円(ゴエン)はご縁に通じ、縁起が良いと言われ、神社などで賽銭として使われることもあります。
自動販売機などでは使えないので注意。

1円玉

表面には若木で、色は銀色のアルミニウム製。 重量は硬貨の中で一番軽い。 自動販売機などでは使えないので注意。

チップの習慣

日本では欧米と違い、規定料金の他にチップ(料金の10-15%)を支払うという習慣はありません。チップ相当額は料金に含まれております。

例) レストランで
テーブルの上にチップを置いて帰った場合、従業員は忘れ物だと思って追いかけてきてお金を返してくれるでしょう。